2010年10月02日

差別軸の転換

皆様こんにちわ。寺本です。

リーマンショックはサラリーマンショックとも言える
出来事ですが、やってきた不景気で企業の接待費も
かなり減ってますよね~。

姫路も同じと思いますが、僕がいた大阪でも、
夜の街で遊ぶ客が減ったらしく、店の人もタクシーの
運転手も、客が減ったわぁ~っと嘆いていました。

日経の記事に載ってた銀座の高級店「銀座みやま」も、
300万~400万円の月商が2/3になってたようで、
売上が3割もダウンしちゃってたようです。

その立て直し策として、「徹底した顧客志向」で常連客重視の
サービスを目指し、過去の接客方法を変えて、季節メニューの
案内を既存客に送ったり、お中元・お歳暮には常連客に名物品を
送ったり、客が店にない酒を望めば、酒屋まで買いにいく徹底ぶり。

常連ターゲットなので月数十万円の雑誌広告は中止。
そして料理長は店に来た客の好物や嫌いなものを、好きな料理方法、
など細かな所を記録して、客に尽くして尽くして、つくしんぼうです。

店員さんも予約の電話だけで、その常連さんを誰か判断して、
その常連が連れてくる接待相手も常連候補として、食の好みを
記録する徹底ぶり。さらにワイン好きの客にはコッソリと
客の名前がはいったワイングラスを作ったりするなんて
驚きです。そんなこんなで売り上げも戻ったようです。

ビジネスにおいて差別化や付加価値は、あらゆるところで
腐るほど叫ばれてますが、実際、自社の差別軸を変更する
となると、全社的な変革が必要な大作業です。

とはいえども、差別化戦略は、結局のところ、
3つしかないようです。


手軽軸:早い、安い、便利。
商品軸:商品・サービスが良い。
密着軸:個別 具体的ニーズに応える。


今までは高級路線で商品軸だった「銀座のみやま」も、
手軽軸or密着軸の判断を迫られたんでしょうけど、
低下価格の手軽軸ではなく、従来顧客の密着軸を
選択したようです。

銀座のみやまは店の規模も大きくないので、
中小企業として、そのフットワークを活かせる密着軸を
選択するのは、経営戦略の教本にあるセオリーどおりすね。

とはいえ、あ~だこ~だ言いあって、色々な議論や
対立を乗りこえ、拒否反応を退け、たどり着いたんでしょう。
でもよく考えると、適切な差別化軸を選択するより、
ドラスティックな変革を根気よく取り組める姿勢が、
強みの源泉かもしれませんね。

  

Posted by 感動会社楽通 at 10:25Comments(4)楽通営業日記